老いの社会システム
私は、たまたまある社団法人の企画「欧州都市行政視察」に参加して、10月1日から15日間の日程で、主として「老いの社会システム」の現地調査を自治体の職員の方々と一緒に行ってきました。
なかでもデンマークのコペンハーゲン、ノルウェーのオスローでの現地視察と担当者との討論は印象深いものでした。
これらの都市における社会福祉の施策と運用に関する基本姿勢を表す言葉をあげるとすれば、「選択の権利」と「自立とその支援」、「分権」の3つではないかと思います。
「選択の権利」とは社会福祉の施設サービスを、それを利用する住民の側から捉える福祉の思想です。
「分権」とは住民の暮しに最も身近な機関が自主的に意思決定をできる態勢であり、「自立とその支援」とは住民の自立への気構えと自立生活がつづけられる支援システムの確立です。
実は、北欧都市における福祉施設を訪問してつぶさに現場を見、関係者と話し合っていたとき、私の記憶に蘇ってきたのは福沢諭吉が『学問のすすめ』の中の2身独立して一国独立する事Lを論じた文章の次の一節でした。
「独立の気力なき者は必ず人に依頼す、人に依頼する者は必ず人を恐る、人を恐る瓦者は必ず人に誤ふものなり。」
・・・「独立」とは「自分にて自分の身を支配し他に依りすがる心なきを云ふ」と定義されています。